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    【連載】 リブロプラスとは何か(2)
2019年08月19日

取次と書店。
【連載】 リブロプラスとは何か(2)

出版社が本を作り、書店が売る。その両者を繋ぐのが「取次」と呼ばれる卸売業者だ。リブロプラスは、二大取次のひとつである日販(日本出版販売株式会社)の傘下にある。

日販グループには、リブロプラスの他にも、九州の積文館書店や、東武ブックスから社名を変えたクロスポイント等、いくつかの書店事業会社がある。もう一つの大手取次であるトーハンも、ブックファースト、文真堂書店、明屋書店、アバンティブックセンター等を傘下に持っている。

取次が書店を子会社化するようになったのは比較的最近のことだが、リブロプラスに合流した3社のうち、最も長く日販傘下にあったのは、リブロだ。2003年、当時の親会社だったパルコが株式の90%を日販に譲渡した。これをもってリブロは、旧セゾングループから離れ、日販の子会社となった。2006年には残る10%も日販に移り、完全子会社となる。その後、オリオン書房(万田商事株式会社)が2013年、あゆみBOOKSが2015年に日販の子会社になり、昨年の3社統合に至る。

取次と書店。取扱商材は同じ書籍・雑誌で、ともに出版流通を担うパートナーだ。しかし、B to Bの卸売業とB to Cの小売業では、日々の業務内容はもちろんのこと、発想や考え方がいろいろと違う。この違いを相互に利用して「足し算」「掛け算」することができれば、強いチェーンになるはずなのだが、そんなに簡単ではなかった。

小売業の私たちは、競合店との差別化が何より重要だと言い聞かされてきた。他の店と同じことをやっていてはダメ、独自の品揃えを磨き、独自のサービスを開発せよ。あるいは、ご来店くださるお客様はひとりひとり違ったニーズをもっていらっしゃるのだから、それぞれのご要望に細かく応えることが求められていると。つまり、個性化・個別化の方向にこそ答があると教えられた。

他方、取次では「水平展開」という熟語をよく使う。どこかにひとつ好事例があったなら、一気に全国へ広げよう。そういう思考の傾向がある。差別化重視の立場からは、競合他社の好事例を真似るなど初めから白旗を上げるようなものに映ったが、これも発想の違いの一例である。

無論、書店においても、業務の効率化・標準化は当然の課題であり、それこそセゾングループの時代から、チェーンストア理論、チェーンオペレーションの方法論に基づいて様々な取組があったが、それはあくまでも社内の(内側の)効率化や標準化であって、他社との共通化ではなかった。

比べて、小売各社の垣根を超えた業界標準を作ろうとする取次の視点からは、独自性より普遍性に力点があるように感じた。例えば、全国売上ランキングに基づく品揃えを推奨されて、初めは驚いた。取次と書店の相互理解には、時間を要した。(次回に続く)

 

【連載】 リブロプラスとは何か(1)「昔のリブロ」ではなく、現在進行形の話をしよう。

野上由人
営業本部長

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