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    【連載】 リブロプラスとは何か(3)
2019年08月26日

商品部の役割。
【連載】 リブロプラスとは何か(3)

リブロプラスの組織は、店舗運営を掌る部門と、本部機能を掌る部門の2部門制になっている。私は現在、本部機能の方を担当している。本部機能は多岐にわたるが、そのうちのひとつが商品部、つまり商品の仕入だ。

リブロプラスの場合、商品の仕入権限を大きく店舗に預けているので、極論をいえば商品部が何もしなくても、店舗からの発注によって商品は日々仕入れられていく。また、日販のしくみによって一定程度は発注作業が自動化されているので、最低限の品揃えは、人の手をかけずにできるようになっている。

では、商品部は何をするのか。お客様のニーズを最も近い場所で察知できる店舗と、膨大なPOSデータを握る日販との間で、やや中途半端な立ち位置にある書店チェーン本部の仕入機能に期待されることは何だろうか。

前回私は、取次と書店の違いに触れた。この違いを同じにしようとするなら私たちに存在意義はない。それゆえ商品部としては、日販との役割分担を意識して、日販とは違うことを考えるべきだろう。つまり、膨大なPOSデータや受発注履歴をベースにした統計的に正しい標準的な品揃えについては、日販に委ねてしまえばいい。全国売上ランキングに照らして足りない商品、欠品があるなら自動的に補充してもらえばいい。日販には、そのためのしくみが整っている(厳密にいえば、随分と整ってきた)。

しかし、それだけで書店の品揃えが完成するわけではない。稀に見る多品種少量販売、ニーズが極度に細分化している点に出版の特徴がある。同じ本を読みたい人が全国に5千人しかいない、そんなことがあたりまえの世界だ(5千人もいたらいいね)。品揃えの標準化? いったいそれで誰が満足するの?と読者の声が聞こえる。標準からはみ出たところが、主戦場である。

ひとつの解は、書店の大型化だった。細分化したニーズの多くに応えられる収容量。大きければ大きいほど、小さなニーズに応えられる。個人のそれぞれの選択を尊重するという意味で、例えばジュンク堂書店のような大型店舗チェーンは、リベラルな書店と言えるだろう。もちろん、その極みがAmazonだと言ってもいい。

リブロプラスの場合、大型店といえるのは700坪のオリオン書房ノルテ店くらいであって、他はほとんど300坪級以下の中・小型店チェーンである。「なんでもあります」とは言えない。だからせいぜい「こんなのあります」と言わなければならない。「こんなの」を見つけてくるのが、書店の仕事だ。他の書店と違った、独自の「こんなの」が支持されて、読者が「顧客」になっていく。

店舗配属のスタッフも、そう考えて商品を選んでいるはずだ。しかし、店舗は忙しい。残念ながら、仕入の専任担当者を置いている店舗はなく、接客や陳列やその他の事務作業等も兼務している実情がある。それに対して、商品部のメンバーは、仕入専任だ。会社に任命されて、仕入だけを担当するごく限られたメンバー。彼らには、店舗が忙しくて追いきれない様々な情報を追いかけながら、標準からはみ出たところに光る「こんなの」を次々と見つけてきて読者に問うことが期待されている。そのためには、一定の「専門性」が必要だろう。マニアックであることを怖れるな。いま、私はそう考えている。(次回に続く)

【連載】 リブロプラスとは何か(1)「昔のリブロ」ではなく、現在進行形の話をしよう。
【連載】 リブロプラスとは何か(2)取次と書店。
【連載】リブロプラスとは何か(3)商品部の役割。
【連載】リブロプラスとは何か(4)違いがわかる。
【連載】リブロプラスとは何か(5)東京・立川、オリオン書房。
【連載】リブロプラスとは何か(6)営業の中心は立川にある。
【連載】リブロプラスとは何か(7)新しい店をつくる。
【連載】リブロプラスとは何か(8)BOOK PARK miyokka!?
【連載】リブロプラスとは何か(9)世界の全体を総覧できる場所。
【連載】リブロプラスとは何か(10)「日販店舗運営株式会社」

 

野上由人
営業本部長

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