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    【連載】 リブロプラスとは何か(8)
2019年10月07日

BOOK PARK miyokka!?
【連載】 リブロプラスとは何か(8)

いま、リブロプラスはとても忙しい。11月に2つの新規出店を控え、その準備に追われている。1つは前回触れた「リブロ南町田グランベリーパーク店」。もう1つは三重県初進出、新屋号「BOOK PARK miyokka!?」だ。11月開業予定の「イオンタウン四日市泊」に出店する。「miyokka!?」は、「ミヨッカ」と読む。

六本木の文喫と同じく、企画は日販のブックディレクションブランド「YOURS BOOK STORE」。運営をリブロプラスが担当する。区画の半分は有料のインドアプレイグラウンドで、もう半分が児童書を中心とする本の売場だ。本の売場に入場料は設定されていない(文喫とは異なる)。

「家族×学び」をテーマとする新業態の1号店ということで、ゼロから考え、決めなければならないことがたくさんある。屋号、ロゴデザイン、制服、包材や従業員の名刺の仕様といった、通常の新規出店では既に決まっていることも、全て白紙からのスタート。楽しい仕事ではあるが、「あ、まだ決まっていない!」と見落としに気づいて焦ることも度々。開店まで気が抜けない。

「家族のためのこれからの本屋」と謳っている。「家族のため」と言いきった。ローソンエンタテインメントが昨年「HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE」を作るときに「女性のための本屋」と言いきったことを思い出す。

実は、2015年、旧リブロが名古屋パルコに「Carlova360」を作るとき、企画チームにおいては女性のお客様のニーズや期待に応える店つくりが基本指針として共有されていた。しかし、アウトプットの段階で「女性」を強調しすぎて男性を排除するのは本意でないと、敢えてその点は言語化しなかった経緯がある。だからHMV&BOOKSが「女性のため」と言いきって注目を集めたとき、「やられた!」と思った。その潔さがメッセージをわかりやすく・まっすぐに伝えたのは明らかだった。

「家族のためのこれからの本屋」。これも「家族」という生活共同体のありかたを特権化する言い方で、誰かを不必要に・過剰に排除してしまうのではないかと内心ひっかかるものがないわけではない。しかし、今回は新しい屋号で、新しいコンセプトの店舗をつくるにあたり、狙うべきターゲットにメッセージがわかりやすく伝わることを優先したほうがよいと考え、日販の提案に反対はしなかった。

誰でもウェルカムの「総合書店」ではなく、ターゲットを明確に絞り込んだ、専門性や趣味性の高い店舗が求められるのは、総合小売業から専門店へ、総合誌からクラスマガジンへ、地上波テレビから多チャンネルへと変化してきた時代の要請と同じ方向にある。単一のブランドで、標準的な客層に向けて、標準的な品揃えの、標準的な書店を全国にたくさんコピーしていくようなチェーン展開が有効な時代は、とっくに終わっているのだろう。残る総合書店は、きっと「趣味としての総合書店」だ。(次回に続く)

【連載】 リブロプラスとは何か(1)「昔のリブロ」ではなく、現在進行形の話をしよう。
【連載】 リブロプラスとは何か(2)取次と書店。
【連載】リブロプラスとは何か(3)商品部の役割。
【連載】リブロプラスとは何か(4)違いがわかる。
【連載】リブロプラスとは何か(5)東京・立川、オリオン書房。
【連載】リブロプラスとは何か(6)営業の中心は立川にある。
【連載】リブロプラスとは何か(7)新しい店をつくる。
【連載】リブロプラスとは何か(8)BOOK PARK miyokka!?
【連載】リブロプラスとは何か(9)世界の全体を総覧できる場所。
【連載】リブロプラスとは何か(10)「日販店舗運営株式会社」

野上 由人
営業本部長

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