2019年10月28日

靴のおはなし2

本日ご紹介いたします1冊は、ループ舎からの刊行第二弾『靴のおはなし2』です。

未熟書店員としては、どうしてもまず出版社の名前から、その本を仕入れるか否か、売れそうか売れなさそうか、などを判断しがちです。こちらの出版社「ループ舎」さんも、「知らん版元さんだな、検討します~」と言って、注文書をお預かりしたまま忘れてしまいそうな、未熟をこじらせてしまいそうな、そんな崖っぷちを歩いておりますと、ふと著者名がちらりと目に入りました。

いしいしんじさん!
「麦踏みクーツェ」を読み終えたときの胸騒ぎは、まだ肋骨のあたりに残っています。第1弾に引き続きの登場、今回も書き下ろしの作品です。胸騒ぎたっぷりの、いしい節。

石川直樹さん!
著作もたくさんありますが、今回は、「靴」にピントを合わせて、おそらくは他の著書では語られていない、ヒマラヤ遠征に5つも靴を持って行くわずらわしさエピソードを紹介しています。

岩瀬成子さん!
「児童文学」と呼びたくなる、少女の視点からの語りが特長なのですが、おとなが読んでも、というかおとなが読んでこそ、かつての「こどもの時間」が強烈によみがえり、鮮烈な印象を残すのではないでしょうか。

桂南天さん!
大坂の落語家さん。落語の世界の「はきもの」についてのエッセイ。今回の執筆陣の中では「異質」な書き手ですが、普段は思いを馳せない、落語家にとってのはきものについてのおはなしが新鮮です。

高橋久美子さん!
今は、文筆家として活躍していますが、そうです、チャットモンチー!ドラムも作詞もてがけてらっしゃいました。今回は、子供のころの靴の思い出のエッセイを寄せています。

西尾勝彦さん!
今回は、奈良を案内する風の連作詩(?)での参加。6人の中で最後に登場するのですが、西尾さんの詩が始まると、余白の多いページを進むために読書のスピードがぐっと緩まり、独特の読書体験を味わえます。そのまま、奈良に遊びに行きたくなります。

さて、一気読みしてしまった未熟書店員は、ふと、ループ舎という出版社を知らなかったがゆえに、検討フォルダに入れてしまった注文書のことを思い出します。

「面白かったから、注文しようか」

知らなかったから注文をやめてしまいそうになった未熟さを忘れ、自分が面白かったから注文してしまう、という別の未熟さを胸に、またひとつ、未熟の階段をのぼったそうであります。

奈良の靴の会社が、靴そのものを世の中にアピールするために、(なのでしょうか)「スピンオフ」して始まったという出版社、ループ舎。サイトにも、読み物、いろいろあります。

服部 健太郎
リブロ なんばウォーク店 店長

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