2020年01月31日

本を売る技術

本書の著者、矢部潤子さんがリブロ池袋本店に赴任して来たその日、矢部さんのベリベリショートの髪の毛は、ひよこの様に鮮やかな黄色でした。
金髪に染めている人を、おしゃれ、かっこいい、と思ったのは、後にも先にも矢部さんただ一人。
ゴムまりの様に弾む笑顔の黄色い頭のその人を見た瞬間、私は、この人に一生ついて行こう、と思ったのでした。

売り場の矢部さんは、兎に角コワい!
たたたたたっと歩いてくる姿を見ると、あっ叱られるっ!と緊張で固まります。そう、叱られるんです。
どんな小さな事も見逃さず、ぴしぴしっと。
コワいです。でも、嬉しいんです。
的確。反論の余地もない。そして目から鱗が落ちる。
矢部さんの脳みそが高速回転する音が聞こえる気がするのは、私だけではないはず。
自分の好きな本だけ売る本屋を作るなんて、誰にだって出来る。
大事なのは、お客様が欲しい本をどう売るかだ。とも言われました。
矢部さんの盟友、本の雑誌社の杉江さんとの対談集であるこの本には、本屋の申し子、矢部潤子さんの教えのすべてがみっちり詰め込まれています。
一つの無駄もなく、そして楽しく。

本好き、本屋好き、のあなたに、一番お勧めしたい本がこれです。

【矢部 潤子さん プロフィール】
1980年芳林堂書店入社、池袋本店の理工書担当として書店員をスタート。
3年後、新所沢店新規開店の求人に応募してパルコブックセンターに転職、新所沢店、吉祥寺店を経て、93年渋谷店に開店から勤務。
2000年、渋谷店店長のときにリブロと統合があり、リブロ池袋本店に異動。人文書・理工書、商品部、仕入など担当しながら2015年閉店まで勤務。
現在は(株)トゥ・ディファクトで、ハイブリッド書店hontoのコンテンツ作成に携わる。

本を売る技術
矢部 潤子 著
本の雑誌社
本体1,600円

高尾 素子
リブロ 港北東急S.C店

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