2020年05月07日

遅いインターネット

スローフード、スローライフ、スロージャーナリズム。人と社会の豊かさを再定義する様々な運動。今度は「スローな批評」だ。SNS中心の情報環境から自らを切り離し、よく「考える」ことを促す。

フィルターバブルの外に出て、多様な情報への自由なアクセスを可能にするインターネット本来の価値を取り戻そう。安易な「いいね」を拒否し、新たな問いの設定を求める。

その実践として、既に著者は「遅いインターネット」という名のウェブマガジンを始めている。そこに、脊髄反射的に書き込めるコメント欄はない。代わりに、「書く」力を共有する学習コミュニティを作った。「書く」と「読む」の往復運動が情報環境の質を変える。多分に啓蒙的なプロジェクトだ。この本の先に広がる世界が早く見たいと急ぐ読者には向かない。

遅いインターネット
宇野常寛 著
幻冬舎
本体1,600円

野上 由人
営業本部長

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