2021年02月05日

おとなになるってどんなこと?

この本のなかに

「私が初めて大人になったと思えた瞬間」

「情けないことに、そうとう遅く」

中学生だったと書かれています

わたしは いつだったかなあ
とおもいめぐらしてみると
10代の終わりのある日が
うかびました

10代になったばかりのころから
母は体調をくずして
寝込むことがありました

それがふいにやってくるのがこわくて
いつもびくびくして
終わりが
全然みえないことに
怒りをかかえて
10代を過ごしていました

その日
北向きの部屋の布団で母が
横になっていて
なにか不安をわたしに話していました

わたしはそれをひと通りきいて

あのなあ
家族は お母ちゃんといっしょにいてるし
関係ない人がいろいろ言ったところで
いっしょに生活するわけちゃうし
大丈夫なんちゃう?

みたいなことを言いました

そのとき
母の不安が しゅうっとしぼんで
落ちついた
というのを はっきり感じました

ああ そうなんだ
いっしょに不安にならなくて
いいんだな

とおもった時間が
いまもあざやかに
わたしのなかに
残っています

いままで 母の子どもとして
生きていたわたしは
どこかで
母の世界を
そのままうけとって
不安や心配のうずにまきこまれていました

それが
そのとき
はっきり 境界線をひいて
ちがう人間として
母をみることが
できたんだとおもいます

この本を最初に読んだときは
またちがったことが
うかんだ気がしますが

自分にとって
意味のある本
というのでしょうか

そういう本は
自分が飲みものなら
それを
ぐるぐるっとまぜる
マドラーみたいだなあ
とおもいます

ときには
みたくないものが
うかびあがることもありますが

そのときの自分なりに
それをみていくと
やがて

ああ そうだったんだ
自分て
こういう感じなんだなあ
って
ものすごく ホッとします

「大人になんかならなくっていい、
ただ自分になっていってください」

というメッセージが
胸に響きます

大人とか
自分を生きるとか
考えなくても
日々は過ぎていきます

けれど
ふと立ち止まるようなときが
あったら
この本を
手ににとってみると
みえていなかった
あたらしい道を
みつけられるかもしれません

おとなになるってどんなこと?
吉本ばなな
ちくまプリマー新書

山口 敦子
リブロ 新大阪店

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