2022年06月02日

悪い夏

暑くなってくるのを待っていました。タイトルを見たときに、夏がはじまりそうな時期に紹介したかったのです。今回紹介させていただくのは『悪い夏』です。

テーマは生活保護の不正受給者とケースワーカーさんの話なので、明るい話題ではありません。働きたくても働けないと言うより、働くこと自体を億劫に感じている受給者さんと、まともそうに見えてズレているケースワーカーさんたち。登場人物がそれぞれ違う“悪さ”を持っていて、楽しませてくれます。読み始めたらどんどん引き込まれていきます。展開のテンポがよく、飽きがきません。

最初は、“最低だな”、“悪い奴らだな”って眉間にシワがよりそうなのですが、最後はもう“悪いなぁ〜”って少し笑ってしまうぐらい、とことんのサゲが待っています。読み終わった後に余韻に浸っていたら、電車を乗り過ごしてしまいました。登場人物たちの悪さを笑っていたので、仕返しされたのかなと、なぜか自分までが登場人物の一員になった気分になりました。そして、そんな考えがよぎった自分自身にも笑ってしまいました。文句なしにオススメできる作品です。

悪い夏
染井為人
KADOKAWA

嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店

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