2022年07月22日

紙の梟 ハーシュソサエティ

今回のテーマは、『死刑制度』についてでした。“1人殺したら死刑になる”法律ができたら、日本はどうなるのか?がいろいろなパターンで書かれていました。実際に起こった事件でも、死刑になりたいからと殺人を犯す人がいます。無差別なのでこの問題は他人事ではないなと思いますが、真剣に向き合うにはとても重いです。貫井さんの小説は重さもありますが温もりのほうが大きかったです。

その1つのテーマが、“いじめ”でした。いじめが原因で自殺してしまった子の仇討ちを、自殺志願者たちがしていくのです。直接いじめに加担した子だけではなく、見てみぬふりをした担任、教育委員会、いじめていた子の家族など、対象の幅が広いのです。

何故そこまで広がったのでしょうか?それは、SNSが原因です。監視カメラだけではなく、SNSをしている国民が全員で監視をしているので、行動パターンがバレてしまうのです。こんなことは許されるのでしょうか?そして被害者家族はここまでのことを求めているのでしょうか?文章で書くと深刻で、やるせなさしかありません。が、そこを何かしらの答えに持っていってくれるのが、この小説です。

タイトルにもなっている『紙の梟』は、最後のお話です。途中からポロポロと泣いてしまうぐらい感動しました。ぜひ、手にとってほしい1冊です。

紙の梟 ハーシュソサエティ
貫井徳郎
文藝春秋

嘉納 芙佐子
リブロ 江坂店

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